パンニュース 2022年(令和4年)8月25日(木曜日)より転載
チャレンジド・プログラムVol.15
西川功晃シェフ(サ・マーシュ)講師に
神戸・くららベーカリーで講習会
神戸スウィーツ・コンソーシアム
【本文テキスト】
竹中ナミ理事長
社会福祉法人プロップ・ステーション(竹中ナミ理事長)と日清製粉(山田貴夫社長)が主催する神戸スウィーツ・コンソーシアム(KSC)のチャレンジド・プログラムVol.15がスタートし、7月12日に兵庫県神戸市のくららベーカリーを会場に第1回講習会が開催された。
1回目の講師は、西川功晃シェフ(サ・マーシュ)が務め、「パン コンプレ ブリエ」とアレンジアイテムを指導した。
コロナ禍で行う今年のVol.15は、参加者が会場に集まる集合形式でなく、講師を務めるシェフに地域の作業所に入り指導してもらい、その様子を全国各地に配信する形で実施していく。第1回の会場となったくららベーカリーは、阪神・淡路大震災で被災し店が半壊するも、焼け残ったお店でパンを焼き周囲を元気づけた。寅さんの映画に登場するべーカリーのモデルとなったことでも知られている。
第1回の講習会は、日清製粉営業企画部の増田梨沙氏が司会を務め進行。親しみを込めて”ナミねぇ”と呼ばれる竹中理事長が冒頭であいさつを述べ、「早いもので15年目を迎えることができた。一つの区切りとなる年の1回目を神戸のくららベーカリーで開催できるのは嬉しい。15年前の初めての年に1回自の講師を務めてくれたのが、今日と同じ西川シェフだった。今日も素敵なパン作りの技を伝授してくれると思うので、しっかり学んで新しいアイテムにしてほしい」と思いを語った。
続いてくららベーカリーの岡田崇史施設長があいさつ。「職員、メンバーの全員、とても緊張しているが、できるだけリラックスして、西川シェフのレシピを学び、新たな製品として作っていきたい」と意気込みを
述べた。
西川シェフは、「震災後に寅さんの映画の舞台にもなった、素晴らしい歴史を感じる会場で講習ができるのは感慨深い。今日はめいいっぱい楽しんでパンを作ってほしい」とあいさつした。
当日は西川シェフのほか、今井浩貴氏(ボン プレゾン)と渡遷俊和氏(パリジーノ アンド アトリエ ドゥ ママン)も駆けつけ、講習をサポートした。
講習の課題となった「パン コンプレ ブリエ」は、全粒粉を使ったパンであるパン コンプレをより簡単に美味しく作れるよう、西川シェフが考案したオリジナルの製法によるパン。フランス・ブルターニュ地方のパン ブリエの生地をベースに、パン コンプレの湯種を練り込むことで、近年、消費者に人気の”しっとり、もっちりとした食感”に仕上げることができる。バリエーションを作るにも有効だという。
講習では、全粒粉を熱湯でミキシングする湯種の作り方を学んだ後、パン コンプレの生地を手捏ねで仕込んだ。プレーンのほか、枝豆とチーズを巻き込んだ「枝豆とチーズのルーレ」や、マスタードを塗りベーコンをのせた「ベーコンとマスタードのフィセル」など、アレンジレシピも紹介した。
焼き上げたパンとともに記念撮影
この後プログラムは、9月5日にエコーンファミリー(長野県長野市)、10月13日にワークセンターれすと(東京都多摩市)、11月9日にさんさん山城(京都府京田辺市)で開催する。第2回と3回の講師を神戸スウィーツコンソーシアムの統轄講師でもある永井紀之シェフ(ノリエット)が、第4回の講師を野澤孝彦シェフ(ホーフベッカライエーデッガー・タックス)が務める。
同プログラムには、ADEKA、石川、沖縄ハム総合食品、オリエンタル酵母工業、正栄食品工業、大山ハム、月島食品工業、トクラ大阪、平瀬フーズ、フクシマガリレイ、丸紅、三井製糖、モリタンら多くの企業が協力している。