2022年8月22日のチャレンジドニュース

プロップで活躍する真野剛くんが映画上映会&トークショウに出演しました!

2022年8月22日

プロップで活躍する真野剛くんが映画上映会&トークショウに出演しました!

剛くんは加古川市のコミニュティFMラジオでの映画上映会広報のために電話出演しました。その録音を以下のURLでお聴きいただけます。

番組担当者からの告知です

令和4年度 高砂ユニナビシネマ
「ジョゼと虎と魚たち」&トークショー企画概要
1.目的、ねらい
障害者の日常、立場、視点を理解してもらうための社会啓発を行いたい。
特に若者世代やこれから社会を担っていく世代の人たちから偏見や間違ったイメージを無くしたい。
今回は明るい未来を感じてもらえるような希望が持てる作品で、観客も当事者も前向きになれるようにし、特定の障害種別に関係なく、本筋は障害者とされる人たち全員が向き合うものとしたい。
2.日時
8月13日(土)13時00~17時00分
3.場所
高砂市文化保健センター中ホール

2022年6月7日のチャレンジドニュース

京田辺市の就労継続支援B型「さんさん山城(新免修 施設長)」に通所する中田鈴子さん。日本でただ一人、盲ろうのアスリートである彼女が、5月15日「世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会」において、スイム750メートル、バイク20キロ、ラン5キロを、1時間51分6秒で完走したことを、福祉新聞が報じました。

2022年6月7日

本年1月25日、法務省で開催した「ユニバーサル社会を創造する事務次官プロジェクト(勉強会)」にゲストスピーカーとして登壇下さった、京田辺市の就労継続支援B型「さんさん山城(新免修 施設長)」に通所する中田鈴子さん。

日本でただ一人、盲ろうのアスリートである彼女が、5月15日「世界パラトライアスロンシリーズ横浜大会」において、スイム750メートル、バイク20キロ、ラン5キロを、1時間51分6秒で完走したことを、福祉新聞が報じました。

2017年に、彼女をサポートする「Team SUZU」が結成されたけど、意思疎通が難しいため、ガイドが見つけにくいことや、タンデムの公道走行を禁じる自治体が多く、練習の場が少ないのが悩みとのこと。

さまざまな悩みを仲間と共に乗り越えながら、アスリート生活をおくる鈴子さんの目標は、アイアンマンレースに出場し、完走すること!!

一人でも多くの方々が、中田鈴子選手を応援下さることを、願ってやまないナミねぇです!!

フレー、フレー、SUZU!!!

<by ナミねぇ>

さんさん山城 YouTube チャンネル

中田鈴子さんのトライアスロンのショート動画は、下記さんさん山城のYouTubeにアップされています。

 https://www.youtube.com/channel/UCpneG0orLBRWlpUY-wPvFhg/videos

2022年6月6日のチャレンジドニュース

心から敬愛する友人松森果林さんからの、お知らせ&お願いです。ご協力、ご助力いただけたら嬉しいです!!

2022年6月6日

心から敬愛する友人松森果林さんからの、お知らせ&お願いです。
ご協力、ご助力いただけたら嬉しいです!!

以下、果林ちゃんからのら二つのご案内です。二つ目のイベントには、ナミねぇも、ぜひ参加したいと、思っています!!!

<by ナミねぇ>

以下は松森果林さんからのご案内です

手話も字幕もアーカイブもあるトークイベントのご案内です
【本の街で、こころの目線に合わせる】

「障害」ある人の「きょうだい」と考える

日時:6月10日(金)19時~20時30分
場所:神保町ブックセンター(10名)+オンライン(500名アーカイブ配信あり)
藤木和子(耳が聞こえない弟と育った聞こえる姉。弁護士、手話通訳士)
松森果林(聞こえる世界と聞こえない世界、両方知ることを強みにしたユニバーサルデザインアドバイザー)
藤井克徳(日本障害者協議会代表・視覚障害)
参加費:1000円
手話通訳:佐藤晴香・田中結夏/字幕あり
詳細・申込:https://kokonome-2022.peatix.com/ 

→「きょうだい」と「障害」をテーマにした藤木和子×松森果林×藤井克徳のトークショーです。

藤木和子さんは、聞こえない弟を持つきょうだいの立場で以下のご高著を出版されました。

『「障害」ある人の「きょうだい」としての私』(岩波ブックレット682円)
 https://www.iwanami.co.jp/book/b603044.html 

※試し読みもできます

この本では「兄・姉・弟・妹やひとりっ子、障害・病気の有無ではなく
ひとりの人間としての私を見てほしい」と普遍的なメッセージをストレートに伝えています。

「きょうだい」「家族」は身近な存在なのに
長男だから、長女だから、あるいは親に心配をかけたくないからと
我慢したり言葉を飲み込むこと、障害の有無に関わらず誰にでもあると思います。

でも、だれもが一人の人間として「自分が望む幸せ」を選択し、
決断できる自由と権利について
弁護士の立場から分かりやすい言葉で繰り返し語りかけてくれるのです。

藤木さんは、弁護士でもあり、旧優生保護法による強制不妊手術に
関する裁判でも弁護団として活躍されています。
今回は、いろんな肩の荷をおろしてありのままの状態で
「その場でこぼれ落ちることば」を大切に対談ができるといいなと思っています。

障害のあるなし関係なく、だれもが当事者であることをシェアできる時間にしたいです。
上記の案内文をそのまま転送くださっても構いません。よろしくお願いします。

ダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」では
ダイアログ・イン・サイレンスを休演し、夏の新しい企画に向けて準備をしています。
そのお知らせと、クラファンのご案内です。

【2022年夏、ダイバーシティの交差点で、新しい地図を手に入れる
リアル対話ゲーム『地図を持たないワタシ』
東京都竹芝のダイアログ・ダイバーシティミュージアム「対話の森」で
で7月20日(水)~8月10日(水)開催されます】

多様なマイノリティのキャストと共にいくつかの部屋を回って
対話や体験を重ねてゲームをクリアしていきます。
掟はたった一つ。「だれも取り残さない」こと。
リアルに多様な人と出会い
リアルな違いを知って楽しむ、新感覚のエンターテイメントです。
プロデュースをするのはろう者の俳優でありダンサーであり、演出家でもある大橋弘枝。

彼女曰く、
「多様性と調和をテーマに開催された東京2020ハ゜ラリンヒ゜ック。
これは、「違い」を 楽しむための素晴らしい「ショー」て゛した。
でもこれをレガシーとするためには、自分と違う体の機能を使う人、
自分と違う言語を使う人、自分と違う文化を持つ人と
リアルに出会い、体験する場か゛必要だと思いました」

13人のキャストに
見えない人、聞こえない人、小人、義手の人、車椅子を使う人、LGBTQなど
「違いがちがいすぎる」究極のマイノリティを迎えました。
誰もが持っている自分の定点である地図を一度手放し
出会いと対話によって新たな「自分の地図」を手に入れるための
クラウドファンディングも始めました。
ぜひ応援いただけると嬉しいです。

 https://readyfor.jp/projects/dialogue2022

こちら、土日を使って研修も始まっておりますが毎回
濃密な違いがぶつかり合い、溶け合い、スゴイエネルギーが充満する空間となります。

取材も大歓迎です!!

◇          ◇          ◇

■松森 果林 karin@p-rism.nir.jp

■ブログ「聞こえない世界に移住して
 http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/ 

■フェイスブック:https://www.facebook.com/MatsumoriKarin 

■18年前の処女エッセイ「星の音が聴こえますか」電子書籍化しました
kindle:https://www.amazon.co.jp/ebook/dp/B0749KGPB9 

■静寂の世界で対話を楽しむ「ダイアログ・イン・サイレンス」
 http://www.dialogue-in-silence.jp 

■ダイアログ体験を、もっと多くのこどもたちに!
子ども5,000人無料招待プロジェクトがはじまりました!
 https://kodomo5000.dialogue.or.jp/ 

2022年5月17日のチャレンジドニュース

ユニバーサル次官P Jでも、ご活動を発表していただいた「さんさん山城」のメンバーで、盲ろうのアスリート「中田鈴子さん」が、トライアスロン横浜大会で3位入賞された、との嬉しいご連絡がありました!!

2022年5月17日

「農福連携」で著名な京田辺市の社会福祉法人「さんさん山城」。

ユニバーサル次官P Jでも、ご活動を発表していただいた「さんさん山城」のメンバーで、盲ろうのアスリート「中田鈴子さん」が、トライアスロン横浜大会で3位入賞された、との嬉しいご連絡がありました!!

鈴子さんは、次官P Jでも「走ること」への思いを、施設長である新免さんの手話点字通訳を通じて熱く語ってくださり、参加者の胸を打ちました。

中田鈴子さんのトライアスロンのショート動画は、下記「さんさん山城のYouTubeにアップされていますので、ご視聴いただけたら嬉しいです!!

<by ナミねぇ>

さんさん山城 YouTube チャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCpneG0orLBRWlpUY-wPvFhg/videos

2021年10月4日のチャレンジドニュース

心の扉を開いて
共に生きる兵庫

障害と夢を語る28歳
人権講座で全盲、車椅子男性

第2部「学ぶ・働く」(51)

毎日新聞 2021年10月4日より転載

画像をクリックで、PDFファイルでご覧いただけます。

<本文>

心の扉を開いて
共に生きる兵庫

障害と夢を語る28歳
人権講座で全盲、車椅子男性

第2部「学ぶ・働く」(51)

 真野剛さん(28)=高砂市=は、生まれつき全盲だ。脳性まひの重複障害もあり、車椅子を利用する。彼は今、講演会で自らの障害と夢について語っている。「今までの経験を語るのは自分の自信につながるし、いろんな人に生きる勇気も与えられる」という彼が語る夢とは―。

 9月28日、高砂市の曽根公民館で開かれた人権講座。地域住民ら約20人が集まった。剛さんはこの講座で、2020年度から市内の公民館を巡回、「Dreams」と題する講演をして、この日で8回目になる。

 早産で、体重772グラムで生まれた剛さんは未熟児網膜症と診断され、手術を受けるが、両目は見えなかった。成長しても歩かず、運動機能にも障害があることが分かった。

 剛さんは幼稚部から高等部まで盲学校に通った。幼い頃は未知の世界に踏み込んでいくのが怖く、家から出るのも苦手だった。

 転機となったのは、高2の時に校内であった人権講演会だ。全盲の高校英語教師の男性が講師だった。剛さんは、全盲でも教師になれるんだと驚いた。男性は生徒たちに訴えた。「やってもいないうちから、あきらめたら駄目だ」。この言葉に、剛さんは鳥肌が立つほど感動した。

 剛さんはその頃、ある夢を抱いていた。小2の時、偶然ラジオから流れる「基礎英語」に、興味を持つ。毎日聴くうちに意味が分かってきた。中学部に派遣されたALT(外国語指導助手)に英語で話しかけてみると、通じた。以来、英会話が好きになった。

 高等部時代、神戸市の高校生英語スピーチコンテストに3年連続で参加。一般高校の生徒と同じ舞台に立てたこと、3年時には5位入賞も果たしたことが大きな自信になった。大学で英語を専門に学び、仕事に生かしたいという夢を抱いた。だが、周囲は「大学の授業についていけるわけがない」と反対した。

 剛さんは読み書きができないうえ、脳性まひの影響で指を十分動かせず点字も読めない。もう学校で習熟したパソコンだけが頼りだ。


講演で、一人暮らしの夢について語る真野剛さん=高砂市曽根町で

 夢がしぼみかけていた頃に、出会った講師の言葉。剛さんは自らを奮い立たせて、夢への挑戦が始まった。

 オープンキャンパスで大学関係者に学びたい熱意を訴え、両親も説得して大学を受験。2011年、AO入試で関西国際大教育学部に合格を果たした。

 大学側から示された入学の条件は、全ての授業に家族が付き添うこと。毋・容子さん(61)は毎日、同大学尼崎キャンパスの教室に息子と並んだ。授業は英語で行われ、容子さんは板書された英文を懸命に代筆した。1カ月のハワイ大短期留学にも付き添う。ゼミ合宿では、息子の同級生らとふれ合った。息子は、生き生きとした表情で学ぶ。「大学に進学させてよかった」。母は心から思った。

 剛さんは現在、障害者の就労を支援する社会福祉法人「プロップ・ステーション」(神戸市東灘区)で、翻訳作業などをしている。

 講演の席上、剛さんが「母には本当に感謝しています」と語ると、見守っていた容子さんは、はにかんだ。

 そんな剛さんの新たな夢は、一人暮らしだ。「今までずっと両親の介護に頼ってきたが、自立したい」という。昨春にも始める計画だったが、新型コロナウイルス禍でヘルパーが確保できず、延期した。今も先を見通せない状況だが、あきらめない。「一人でゆったり、好きなジャズ音楽を聴きたい」と新たな生活の夢を語る。

 剛さんの相談支援をする「地域支援センターあいあむ」(高砂市北浜町)主任相談支援専門員、西野浩美さん(56)は「28歳の普通の青年らしい夢」とほほ笑みながら、「くじけず挑戦する剛さんに、私も置いてきぼりにされないよう伴走していきたい」と話す。

 剛さんは「自分ができないことは皆さんに支えてもらいたい。道端で会ったら、声をかけてほしい」と、参加者に呼びかけた。彼は地域の人々とのふれあいを求めているのだ。彼の心の中では、既に自立生活が始まっている。
【桜井由紀治】

=つづく
※次回は18日掲載予定です。

2021年8月19日のチャレンジドニュース

生まれつき、あるいは事故などで腕を亡くした子ども達が装着する「筋電義手」を、厚生労働省が今年度から「補装具」として公費支援の対象とする制度改正を行いましたが、このたびその制度が、装着・使用訓練にも拡充されることになりました。

2021年8月19日

生まれつき、あるいは事故などで腕を亡くした子ども達が装着する「筋電義手」を、厚生労働省が今年度から「補装具」として公費支援の対象とする制度改正を行いましたが、このたびその制度が、装着・使用訓練にも拡充されることになりました。

この事業は「筋電義手バンク」として、兵庫県独自の支援制度として始まったんやけど、この制度の利用には様々なハードルがあったことから、ナミねぇは開発現場である兵庫リハビリテーションセンターを、山本かなえさん(公明党・参議院議員・元厚労副大臣)とともに何度も訪れ、井戸知事(当時)や開発者、医師など関係者一同に集まっていただいての意見交換会を開催し、その後、加藤勝信さん(現内閣官房長官・元厚労大臣)にも現地視察していただくなどした結果、国の制度に位置づけられたという経緯があります。

本日8月19日の公明新聞には、この一連の経緯と、制度の拡充が決まったこと、ナミねぇのコメントなどが掲載されました。

一人でも多くの筋電義手を必要とする子ども達が、自立と就労をその手でつかみ取って行けるよう、心から願うナミねぇです。

これからも関心と応援を寄せていただけたら、嬉しいです!!

<by ナミねぇ>

自らの意思で指を動かせる筋電義手の普及へ

公明新聞 2021年8月19日より転載

画像をクリックで、PDFファイルでご覧いただけます。

<本文>

自らの意思で指を動かせる筋電義手の普及へ

「補装具費」の対象に追加
小児用訓練機器の購入も支援
公明が推進


右手に筋電義手を装着して遊ぶ幼児

筋肉が発する電気信号を利用し、本人の意思に応じて指を動かせる「筋電義手(きんでんぎしゅ)」。厚生労働省は、身体障がい者の失われた機能を補完・代替(だいたい)する「補装具」として、購入・修理費用(補装具費)を公費で支給する制度改正を行い、今年度から適用している。さらに、子どもが筋電義手を操作するための訓練に用いる機器の購入などを支援する事業を始めている。いずれも公明党が推進した。

制度改正では、補装具費の対象となる種目や支給額を定める「基準」の中に、筋電義手などを指す「電動式」が義手の型式として新たに追加された。

これまで筋電義手の購入・修理のために公費支給を受けるには、「真にやむを得ない事情」がある場合の「特例補装具」として認められる必要があったが、制度改正により筋電義手を選択しやすくなった。

一方、小児用筋電義手の訓練機器の購入などを支援する事業では、補助の上限額が500万円に設定された。

事業の背景には、補装具を使いこなせるようになるまで支給されないという補装具費の仕組みがある。このため、操作の訓練に必要な機器などの費用は、病院やリハビリ施設などの持ち出しに依存しており、これが普及を阻(はば)む一因となっている。厚労省は、補装具費受給までの訓練機器の購入などを支援することで、訓練などを実施できる病院や施設の拡大につなげたい考えだ。

公明党は筋電義手の普及を積極的に推進してきた。2017年4月の参院厚労委員会で山本香苗氏が、国会で初めて小児用筋電義手を取り上げ、普及への体制を整備するよう主張。厚労相から「子どもたちに筋電義手を届けられる環境整備をしっかりやっていく」との答弁を引き出し、政府内の検討が始まった。神奈川、兵庫、滋賀の各県議会でも公明党の議員が取り上げてきた。

山本氏は「ようやく、国として筋電義手の普及を進めるための一歩を踏み出すことができた。全国で必要な人が使えるようになる体制づくりに引き続き取り組みたい」と語っている。

障がい者の人生の幅を広げる朗報

社会福祉法人プロップ・ステーション 竹中ナミ理事長

兵庫県で進む小児用筋電義手の普及への取り組みを全国に広げられないか――。この私の訴えを公明党の議員が真剣に受け止め、粘り強く取り組んでくれた結果、今回の朗報となった。

手先が使えない人も、筋電義手を用いることで大きなハンディを乗り越え、人生や仕事の幅を広げていくことができる。障がい者の就労や雇用の促進に携(たずさ)わる一人として、公明党の尽力に感謝している。今後も普及へ連携していきたい。

2021年5月24日のチャレンジドニュース

「障害者は戦力」 企業と橋渡し 特性に応じた環境整備目指す

2021年5月24日

ナミねぇが心から尊敬し、共感する友人であり、チャレンジドのお父さんである「熊内弘次さん」の記事が、毎日新聞に掲載されました。読んで戴けたら嬉しいです

<by ナミねぇ>

毎日新聞デジタルサイトはこちら から

「障害者は戦力」 企業と橋渡し 特性に応じた環境整備目指す

毎日新聞 2021年5月21日より転載

画像をクリックで、PDFファイルでご覧いただけます。

<本文>

地域から

能力引き出す環境作りを

多様な人材が活躍する共生社会の実現が叫ばれて久しい。だが、障害のある人たちの働く場はなかなか広がらない。障害者雇用コンサルタント会社「CtoB」(神戸市東灘区)の代表取締役、熊内弘次さん(63)は「特性に応じた職場環境を整えれば、障害者は重要な戦力になる」と力を込める。
【まとめ・桜井由紀治】

聞いて!

障害者雇用コンサルタント会社「CtoB」


障害者雇用コンサルタント会社「CtoB」代表取締役、熊内弘次さん=神戸市東灘区で

■ 企業との橋渡し

障害者雇用に対して企業の取り組みはまだ鈍いのが現状です。潜在能力は高いのに、働けていない障害者が多数います。

企業などに一定割合の障害者を雇うよう義務付ける法定雇用率があります。私は障害者と企業の橋渡し役をしていますが、ある企業から「雇用率の達成まで2人足りないから、手配して」との依頼がありました。商品発注と勘違いしているかのような依頼で、私は断りました。障害者を雇用率の数合わせとしか考えない企業が多すぎます。障害者は障害特性にマツチングさえできれば、大きな戦力となります。私には28歳になる重度知的障害の娘がいます。娘の介護を通してさまざまな障害者と出会いました。実感したのは、彼らの潜在能力の高さです。

執行役員で退職した前職の阪急阪神ホテルズ事業部長時代、製菓工場に初めて障害者5人を雇用しました。集中力が途切れない、こだわりが強いため検品精度も高く、特性を生かした仕事ぶりでした。他のスタッフも彼らに引っ張られ、生産性が上がりました。障害者と一緒に働くことは企業にもメリットが多いと確信した私は、これを広めたいと起業しました。

企業には、障害者を重要な戦力として捉えた経営戦略化を提案しております。障害者ができる仕事は彼らに任せ、一般社員はステップアップした仕事に従事することで、経営効率化を図ります。

重視したいのは、障害者の能力を引き出せる環境作りです。その手法として、社内横断的なプロジェクトチーム(PT)を結成します。

PTの構成メンバーは、部門長や実務に精通した社員のほか、社内の障害当事者や家族に障害者がいる社員も加えます。理解を深めるセミナーも開き、心のバリアフリーを図っていきます。

PTは障害者が担当する業務を各部署から切り出し、マニュアルも作ります。配属先の部署には、障害の特性を説明して配慮するよう求めます。

■職場に化学反応


(上)ホテル玄関周りを清掃する男性(下)購買部で、業者から納品された物を伝票通りかチェックする女性=いずれも=リーガロイヤルホテル提供

採用して障害者と仕事をすると、職場に「化学反応」が起きます。まず、全員で支え合おうという気持ちが湧いてきます。真面目にコツコツ仕事をする彼らを見て、一般社員も働く意義を再認識します。一般社員の負担が軽くなったことで、新たに何をすべきか考え始めます。社内異動も活発化して、社員のモチベーションも上がります。

私が関わった企業の成功事例を紹介します。「リーガロイヤルホテル」(大阪市北区)は2016年7月にプロジェクトを開始、障害者17人を新たに採用しました。雇用率は2.97%です。

自閉症スペクトラムの男性はこだわりが強く、掃除を完璧にこなさないと、気が済まない。床をピカピカに磨く彼を見て、一般社員も懸命に磨くようになりました。まさに化学反応です。この男性は、夜勤明けの社員2人が残業で行っていた客室アメニティトの搬送も1人で担っています。彼は契約社員に登用されました。同ホテルは、日本ホテル協会の20年第1回社会貢献表彰優秀賞を受賞しました。

「京阪ホテルズ&リゾーツ」(京都市)は18年9月にプロジェクトを開始、新たに12人を採用しています。雇用率は3.2%です。系列の「琵琶湖ホテル」(大津市)では、自閉症スペクトラムの女性が、これまで社員で分担していたテーブルナプキン折りを一手に引き受けています。彼女のおかげで社員の残業削減にもつながりました。

聴覚障害の女性はパソコンが得意で、ホームページのメンテナンスやチラシを作っています。彼女の採用をきっかけに、社員の間で手話教室が自主的に開かれるようになりました。「京阪ホテルズ」は20年3月、経済産業省の「新・ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれました。

ただ、今は新型コロナウイルスの影響で、障害者の仕事も少なくなってしまいました。新規採用はストップ、雇用を守ることで精いっぱいです。そんな中、障害者が新たな職域にチャレンジする取り組みも始まっています。なかなか踏み込めなかったのですが、コロナ禍を機に「この仕事もできるんじゃないか」と、かじを切りました。障害者の可能性を信じているからできることです。

コロナ禍が過ぎ去ると、再び深刻な人手不足がやって来ます。障害者雇用を経営戦略に組み込むか否かで、企業の成長に差がつくことでしょう。

◇CtoB◇

2015年4月設立。問い合わせはホームページ(https://www.ctob.jp)へ。

達成企業48.6%

法定雇用率

障害者雇用促進法は、職場で働く人の一定割合以上を障害者とすることを義務付けており、この割合を法定雇用率と呼ぶ。民間企業の法定雇用率は2021年3月、2.2%から2.3%に引き上げられた。達成できていない企業は納付金を払うが、20年6月時点で達成企業は48.6%で、全体の半分に満たない。

関連リンク

株式会社C to B 

2021年1月21日のチャレンジドニュース

国会審議のインターネット中継で聴覚障害者向けに手話通訳を導入。

 

松森果林ちゃんからの情報です!!

私も、国会中継をたのしみに拝見します!!

<by ナミねぇ>

参議院インターネット審議中継
 https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 

※以下は松森果林さんのfacebookより引用させていただきました。

ついに本日。

手話通訳は国会審議のインターネット中継のほうで参議院15:40~みられるとのことです。

<参院、通常国会から手話通訳 ブース設置>

※日経.comより引用

参院は15日、国会審議のインターネット中継で聴覚障害者向けに手話通訳を導入するにあたり、新たに設けた手話通訳士用のブースを報道陣に公開した。18日の菅義偉首相の施政方針演説など政府4演説から映像中継を始める。

映像は参院のホームページから閲覧できる。

2020年11月の参院本会議では、自民党の今井絵理子参院議員が手話を交えて質問した。新型コロナウイルスの影響でマスク着用を実施しており、口の動きが読めない聴覚障害者を考慮した。

バリアフリー化の一環として参院本会議場内にスロープも設置した。車椅子を利用する議員が登壇しやすくするための措置で、通常国会から使用する。

関連リンク

参議院インターネット審議中継
 https://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php 

日経新聞元記事
 https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE159GQ0V10C21A1000000